でくログ

お酒を飲みながら私立恵比寿中学とかスタダアイドルについてだらだらと

幕が上がる感想

幕が上がる感想の目次

・はじめに
・映画概要
・事前知識
・完全なるアイドル映画?
・映画の評価
・フィクションかノンフィクションか
・一般人、モノノフ、ドルオタの視点の違い
・HITしたか?
・おわりに

■はじめに
「幕が上がる」を4回。そのドキュメントである「幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦」を1回見ました。
映画の公開も終わるのでいまさらもいまさらですが、レビューします。一応ネタバレありということで書きます。
普段映画なんかはほっとんど見ませんので、テクニカルな面では評価できないかと思います。

ドルオタの映画雑記として見ていただけたらと思います。長くなると思います。

 

 
■映画概要(シネマトゥデイ引用)
地方都市の県立富士ケ丘高等学校2年生の高橋さおり(百田夏菜子)は、部長を務める演劇部最後の1年を迎えようとしていた。それぞれに個性豊かな部員たちと共に年に1度の大会、地区大会突破を目標に稽古に励む中、元学生演劇の女王だという吉岡先生(黒木華)が赴任してくる。吉岡の指導の下、全国大会出場を目指し彼女たちの演劇に打ちこむ日々が始まる。

シネマトゥデイ - 映画の情報を毎日更新



■事前知識
まずは私の見る前の事前知識です。
1. 宮沢賢治の「銀河鉄道」を読んだ。「告別」は知らない。谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」も知らない。
2. 小説版は読んでいない。
3. モノノフである。かつ、今のところスタダDDである。

1の銀河鉄道を読んでおくことで、映画の理解が深まります。あらすじだけでも十分です。読んでないともやもやするかもしれません。
告別の理解があると、もっと深く理解できたのかもしれない。未知数。小説版では補完してくれるのかな。
二十億光年の孤独は滝田先生(志賀廣太郎さん)が説明してくれるので、読まなくてもよさそう。

2の小説版を読んだか読んでないかは、映画の評価にはそう響かないかなと感じました。
ただし、小説版に思い入れのある人はそうではないことは確かです。
変更点や補足・補完されていないエピソードに関して思うところはあるでしょうね。

3のモノノフであることはこの映画を見るうえでかなり重要だと思います。
もちろん、モノノフでない著名人がこの映画を高く評価していることから、良い映画なのは間違いありません。
ただこの映画は、いい意味でも悪い意味でもももクロのアイドル映画です。
最低ももクロに対してフラットな姿勢でいられないと見る権利がないでしょう。

■完全なるアイドル映画?
本広監督は、「完全なるアイドル映画」、「80年代ごろの骨太なアイドル映画」をイメージしていると発言しています。
http://www.cinematoday.jp/page/N0069440
本広監督の本気は以下の点から伺えます。
・1年前からももクロのスケジュールを2カ月あけてもらい映画を撮影した。
・本広さん最高のスタッフを集めた最高のチームで作り上げたらしい。

■映画の評価
Yahoo映画に倣って、物語、配役、演出、映像、音楽で評価してみます。

まずは物語から。
本当に綺麗な物語だないった印象を受けました。
この映画には、恋愛もなければ誰かが死ぬこともありません。
心の葛藤はあれども、それが誰かを傷つけたり傷つけられたりはしません。
それでも物語が進み、起承転結の転からの盛り上げ方は気持ち良いくらい綺麗です。
1回目は理解の浅さもあり「え?」と思うところもありましたが、2回には見事に引き込まれました。

次は、配役です。
ももクロメンバーはみんなはまり役かなと思います。
小説から結構な設定変更があるみたいなので、小説好きの方はうーんと思った部分があるかもしれませんね。
気になったのは、明美ちゃん役の佐々木彩夏さん。ちょっと太かったですね(それでも僕はあーりん推しです)。
丸顔ーりんなのである程度は仕方ないのですが、あごを引いてしっかり演じると目立っちゃいますね。
え、あの子がももクロなの??と思う人も多かったのではないかと思いました。
配役として重要なのが、吉岡先生役の黒木華さんでしょう。
彼女がいなかったらこの映画は失敗したと思います。彼女が出た後に映画の空気が変わりエンジンがかかってきました。
ムロツヨシさんですが、ドキュメンタリーを見た感じだとももクロメンバーの支えとなっていたみたいです。
いいチームでいい映画にするために全力でやってるんだなぁというのが見えました。
映画の評価とはちょっと違うので括弧書きにします。過剰な演技は良くも悪くもムロ節ですかね。)

次は、演出です。が、一般の演出とももクロ演出で分けます。

・一般の演出に関して。
起承転結の転くらいまではカメラがぐるぐる動いたり、さおり(百田夏菜子さん)のモノローグ(心の声)が多いと思います。
覚悟を決めた後は一気にその演出が消えます。好き嫌い分かれそうですが、私はこの演出嫌いじゃないです。
脚本の手腕も大きいですが、後半にシーンを畳み込んで最後まで持っていくのはとても気持ちよかったです。
気になったのは、夢オチ的な演出への入り方です。
唐突にシーンが変わってしまうため、ついていけず疲れました。
煮詰まってるからってうどん脳が出てくるのもなんだかなー。本広監督の出身が香川だからでしょうけど。
いきなり大音量でももクロ曲がかかるのもどうかなと……。
悪いこと出せば原作の平田オリザ人形も出てくる必要あったかとかも思っちゃうよね。

ももクロ演出に関して。
アイドル映画ということで、ももクロファン向けの演出が多々ありました。
ちょくちょくももクログッズが出てきたり、メンバーカラーが強調されてたりしました。
さりげなく出てくるくらいならいいのですが、重要な意味を持つところでは使うべきじゃないと思いました。
気になったのが3点。
一つ目は目の前に置かれたジュースを飲まないで自分の色のジュースを飲むシーン。
気を許していない演出かもしれませんが(和解シーンでは気を許した意味もあるのか、相手の色を塗っている)、ももクロを知らない人は見てる人置いてけぼりだと思います。が、これはアイドル映画なのでセーフです。
二つ目は和解シーンの背景でのうるさい演出。
ももクロのれにちゃんらしさを出したかったのかもしれませんが、不要と感じました。
最低だと思ったのは、カメオ出演(有名人の特別出演)です。
映画のイメージに合う人物なら使ってもいいですが、そうでないなら外すべきか違う役にすべきだと思います。
がるるのおじいちゃんと鶴瓶さんのイメージは合わなすぎるよー。
とても親族とは思えない人物が並んでるのも気持ち悪かったです。
でもたこ焼きレインボーのみんなはとってもかわいかったです(ほっこり)。

次は、映像です。
あまり語ることもないですが、静岡ということで綺麗な富士山が何度も出てきます。
全体通していい雰囲気が出てたのではないでしょうか。

最後は音楽です。
感動シーンのピアノ曲ももクロ曲だったりしますが、自然なので問題ないかと思います。
気になるのは演出で書いたところくらいですね。
エンディングの走れ!は賛否両論だと思いますが、私は良いと思いました。
これはアイドル映画なのです。

まとめです。
Yahoo映画でレビューするとすれば4.0~4.5はつけると思います(でくおの盛り含む)。
2時間という長い映画ですが、それを感じさせませんでした(ファン補正もあるかもですが)。
主軸がぶれず、後半から厚いシーンが畳み込まれて最後につながっていく。良いです。
マイナス要素を結構書きましたが、それを超えてくる気持ちよさがあります。
ただ1回しか見てなかったら3.0~4.0だったかもしれません。
私の頭だと1回で理解するのは展開が早すぎました。
いまいちだと思った人はDVDレンタルあたりでもういっかい見て欲しいですね。
ほとんどの映画館は4月16日で終わるので、見たい人はダッシュですね。

■フィクションかノンフィクションか
もちろんこの映画はフィクションですが、ももクロのストーリーとしてはノンフィクションだという評価もできます。
有安さんの加入、早見さんの脱退などなどなどなど。
本広監督が意識したんでしょう。そういう見方も面白いかもしれませんね。
私はなんとなくそうかなと思った程度で、あまり重ねては見られませんでした。

■一般人、モノノフ、ドルオタの視点の違い
どうしてもアイドル映画という性質上、見る人によって評価は変わるのではないかと思います。
ここでは、この映画が嫌いな人はおいておきます。
まず、一般人としては、気持ちのいい青春映画。ももクロも好きになっちゃうでしょうね。
次に、モノノフとしては、一般人の感想に自分の大好きなももクロちゃんが主演張ってることで大感動ですね。ファンでよかったーと思える瞬間でしょう。
語弊を恐れず言うと、他のアイドルファンとしてはいい映画と認めつつももどかしさがありそうです。
自分が推してるグループが映画になることはあるのか。
推しメンだけでも映画で出られる可能性はあるか。
出られたとしてこれだけ愛のある映画になるのか。
なんて考えていくとももクロが羨ましくなるのかなぁなんて思ったりします。
まぁ推してるグループの色や人気に大きく左右されると思いますが…。

■ヒットしたか?
上映前に大々的に宣伝をした割には、そこまでヒットしなかったという印象でしょうか。
しかし、上映映画館数(約127劇場)が少ないなかで、4億(キネマ旬報見込み)は大健闘だと思います。
ただ、私で4回、舞台挨拶効果もあるため同じ人が数回見てるのかなと思います、多くの人に見てもらえたとはいえないかもしれません。
舞台挨拶で言うと前回の日記で書いたように挨拶終わったら帰っちゃう人も多いのが悲しいところですね。

世間一般で言うと、所詮アイドル映画なのでしょう。
まぁお金と時間をかけて丁寧に作ったいいものが売れるものとは限らないのが世知辛いところです。
売るためにターゲットを広げて、もっと衝撃的な演出を増やして、カメオ出演も動員を見込める人物にする。
こうすると、動員は増えるかもしれませんが、そうなるともうアイドル映画じゃなくなってしまいますね。

■おわりに
本当にいい映画です。見てない人は是非見て欲しいし、1回見た人ももう1回見て欲しい。
かなり長い時間をかけてきっちり取られた「幕があがる」は、アイドル界の宝だと思います。

劇中に出てたハンバーグが凄く美味しそうでした。
調べたところ、げんこつハンバーグの炭焼きレストランさわやかというお店らしいです。

げんこつハンバーグの炭焼きレストランさわやか


静岡旅行の際に食べてみたいなー。
あー腹減ったー。

以上です。